前記事の番外編として、この記事では男性がカバーしたNewJeansの “Ditto” を幾つか掲載したい。
動画は全部で5つ、各々を軽く分析 & 評論して行こう。
1.NEWJEANS (뉴진스) – ‘DITTO’ COVER (커버) by
そもそも英語がネイティブな歌手だろう。Twitterの彼の職業欄には「Singer & Songwriter」と明記されてある。
声が正確にアタックポイントを捉えているので聴いていて不安は全くないが、だからと言って面白みがあるわけでもない。だが耳コピの編曲も細やかで、コーラス部分もしっかりと再現されている。
兎にも角にも爽やかさが売りで、良くも悪くも安心して聴いていられる。
2.’Ditto’ – NewJeans (뉴진스) Cover by Lesmana Wira:
国籍不詳だが、この男性のInstagramのプロフィール欄にも「音楽家・ミュージシャン」と記載されているので、きっとプロの歌手なのだろう。
上の Johnny と同様、Keyを「E-Maj」に移調して “Ditto” を再現している。
表現自体は特に目新しさはないが、歌唱は安定している。バックもギターのカッティングとベースの2本で終始しており、リズムもコードの掴みも安定している。
この曲の特徴である「影マイク」のようなコーラスも、うっすらとではあるがきちんと再現されているところが加点要素だ。
3.[COVER] NINE.i 나인아이 – ‘Ditto’ Cover Original song by. NewJeans | Edit by. VAHN:
最初この人(実際には二人組か?)の声が女性に聴こえたが、よく聴いてみたら男性だった。
‥この中性的な声質と感性が、恐らくこの歌手の魅力の一つと言えそうだ。瞬時的に東方神起とかその類いの、いわゆるK-POPの男性の声色が楽曲の中を行ったり来たりするので、女性がそれを聴く時にハっとさせられる。
原曲にかなり忠実にバックも再現しており、恐らくレコーディングにもかなり力を入れていると思われる。ダンスの要素はほぼゼロだが、作品としてクオリティーが高い出来栄えと言える。
4.Maddox(마독스) & ATEEZ(에이티즈) 종호 – Ditto (NewJeans Cover):
これが少々微妙だった‥(笑)。
最初この組み合わせは男女デュオだと思い込んで観ていたが、途中から画面右側も男性だと気が付いた。
いわゆる最近ブームのボーイズラブ系の演出が施されているように見えるし、編曲もそれらしくかなりムーディーさを狙っているように見える。
彼等の持つ声質もどちらかと言うと高音域で、どちらでもない性別感覚で聴き手を攻めて来る。
コーラス部分の重ね方が絶妙に色っぽい。肌と肌とを重ね合わせるようなコーラスの動きが何とも言えず、ここは聴く人によって評価が大きく分かれるところだろう。
途中ヴォーカルにもアドリブやフェイク等が加えられており、私個人的にはちょっと面白いな~と感じた箇所でもあったが‥。
編曲面でも工夫がされており、特に全編を雨だれのようにしたたり落ちて行くエレピの入れ方は絶品だ。ミックス & エフェクトのセレクトも秀逸だ。
5.”Ditto” (Acoustic Full Version) – Yoon Dohyun:
今回の “Ditto” 男性歌手カバー編の中で、この人が私のイチオシだった。
Yoon Do-hyun(ユン・ドヒョン)は韓国では有名なシンガー・ソングライター(兼 ロックシンガー)であり、その名の通り、荒々しく生々しい彼の表現が原曲を完全に凌駕した形の、非常に良い録音に仕上がっている。
再解釈が余りに上手く行ってしまった為、まるでオリジナルを聴いているような気持ちにさせられる。
恐らく韓国国内のラジオ番組放送中に生で演奏されたものだと思うが、この完成度は素晴らしい。
その前の二人グループ(3. & 4.)が「G-Maj」で再現していたのに対し、ユンはさらに半音下の「G♭-Maj」にキーを落としているせいなのか、楽曲に重さが増して胃よりも下の骨に斬り込んで来る。それがとても心地よい。
今日の記事はここまで。それでは、5人5色の世界観をご堪能あそばせ。